本作は田村 翼さんの3rdアルバム。オリジナルはLPとして、1979年、前作(2nd)の“JAZZ PRESTIGE”の半年後にトリオレコードよりリリースされている。現在はアブソードミュージック・ジャパン
から翼さんのトリオレコード時代の全アルバムの中の一枚としてCDで復刻再発売(08年6月25日)されている。

CD(AMJ ABCJ-484)
1. Blues Bank
2. All the Things You Are
3. Easy Living
4. You and Me
5. Straight Flash
6. Willow weep for me
7. Green & Peace
8. Hamps Blues
田村翼(p)、レッド・ミッチェル(b)
ドナルド・ベイリー(ds)
オープニングを飾る“Blues Bank”の翼さんの一音だけで白を基調としたモノクロジャケットとはまったく逆の黒さとグルーブを感じてしまい、前作(2nd)“JAZZ PRESTIGE”とはまた異なった興味を抱いてしまう。
“JAZZ PRESTIGE”と同様に本作でもバックにレッド・ミッチェル(b)とドナルド・ベイリー(ds)とネイティブなミュージシャンを迎えてのセッションバンドだ。
翼さんのピアノタッチは変わらないように聴こえる・・・が、なぜだかブルース感とグルーブ感を何時もに増して強く感じる。
アルバム全体がそうだ。
これはやはりハンプトン・ホーズ(p)トリオの全盛時代にベースを弾いていたレッド・ミッチェル(b)の参加があってこそ漂い浮かび上がってくる色合いなのか。
ホーズを敬愛するピアニストの一人だという翼さん、かたやホーズのピアノを知り尽くしているミッチェル。このセッションはホーズが天国から巡り合わせるべくして翼さんとミッチェルを巡り合わせたのかも知れない。
また本作で翼さんは1stアルバムと同様にブルージーなオリジナル楽曲を3曲(1・5・7)提供している。オリジナル曲を聴く付け、凄腕のプレイヤーとしてのみならず作曲家としての才能にも、もっと評価があっていいのではないかと思ってしまう。
一曲目は“Blues Bank” 翼さんのオリジナル作。翼さんといい、ミッチェル、さらにベイリーといい、このゆったりとした中にもうねるような強いグルーブ感のある演奏に思わず自然に身体を揺らしてしまう。
二曲目は“All the Things You Are” ジェローム・カーン作。Jazzミュージシャンが好んで演る曲の一つでしょうか。聴いてるだけでもコードチェンジの多さや転調有りーので複雑そうな楽曲のようですが、原詩にあるような若々しいリリカルな感情の翼さんのピアノに惚れ惚れしますね。
三曲目“Easy Living” ラルフ・レインジャー作のスタンダード。素敵なバラッドです。ベイリーのブラシワークのソロ、ミッチェルのベースソロも絶妙でいいですね。
四曲目は“You and Me” レッド・ミッチェルのオリジナル曲で本作のタイトル曲。ミッチェルの自ら唄うように弾くメロディアスなベースがすごくたまりません。ハンプトン・ホーズに奉げたというこの曲。ミッチェルは翼さんのピアノにホーズの姿を見たかも知れないですね。
五曲目“Straight Flash” 翼さんのオリジナル曲。曲名の如くストレートなファストテンポな曲です。リフを聴くと翼さんがバッパーというのがよくわかる曲ですね。ベイリーの煽りまくるドラムに乗っかった三位一体の演奏は凄い!
六曲目は“Willow weep for me” スタンダード中のスタンダードと言ってもいい曲ですね。アン・ロネル作。スローなバラッドですが、翼さんのピアノ、ミッチェルのベースともにすごくブルージーでスケールの大きな演奏が魅力です。
七曲目“Green & Peace" 翼さんのオリジナル曲。出だしとエンディングは軽やかなボッサ、中途はブルースフィーリングたっぷりの4ビートに。一粒で二度美味しい曲(^^;)。翼さんの持ち味であるブルージーさが強く伝わってくる演奏です。
クロージング曲は“Hamps Blues” タイトルどうりハンプトン・ホーズの作。翼さんのアクの強いブルージーな演奏を聴くと、もはやホーズの曲だからということではなくて翼さんそのものの個性が故のフィーリングに満ちているとしか言いようがないな。
聴くにつけ何時も思うことですが、やはり素晴らしいピアニストです。


















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