本作は田村 翼さんの2ndアルバム。オリジナルはLPとして1979年にかつてのトリオレコードよりリリースされた。現在はアブソードミュージック・ジャパン
から翼さんのトリオレコード時代の全アルバムの中の一枚としてCDで復刻再発売(08年6月25日)されている。

CD (AMJ ABCJ-483)
1. Take the A Train
2. The Nearness of You
3. Blue Bossa
4. On Green Dolphin Street
5. Satin Doll
6. Black Orpheus
7. Sonnymoon for Two
田村翼(p)、アンドリュー・シンプキンス(b)
フランク・ガント(ds)
翼さんは1977年にリリースされた前作1stアルバム“BALLAD FOR HAMP”では2曲のオリジナル楽曲を織り交ぜてのアルバム作りで、ピアニストとして懐の深さと素晴らしい演奏を提供していたが、2作目になる本作では、ライナーノーツによるとオール・アート・プロモーションの石塚氏の計らいで、当時、来日中だったモンティ・アレキサンダー(p)のサイドメンとして同行してきたアンドリュー・シンプキンス(b)とフランク・ガント(ds)の二人を迎えてのセッション作品として作り上げている。
さて、本作の曲目を見てみよう(左記参照)。まさにアルバムタイトル“JAZZ PRESTIGE”というネーミングが示すとおり、あらゆるJazzメンたちによる数々の名演が残されているJazzファンなら誰でも知っている名曲中の名曲ばかりで構成されている。
そんな訳で本作の翼さんの演奏を聴かないで曲目だけで判断すると、ややもするとJazzピアノ名曲集的な、いわゆるJazzピアノ入門盤とかBGM ピアノJazz的な安直な企画盤にすら感じさせるポピュラリティなJazzアルバムに受け取られがちなのだが、翼さんの演奏を実際に聴けば、それらの安直な企画物とは全く比較することすら必要のない完全に一線を成すJazzピアノの王道を極めた素晴らしい作品であることがすぐさまに判るのだ。
これは取りも直さず、翼さんの演奏スタイルを熟知している石塚氏のディレクターとしての手腕の高さ、そして何よりも翼さん自身もこれらの名曲を常々から弾きこんでいることから来るこなれた解釈ではなく、セッションメンとして迎えた凄腕実力者シンプキンスとガントの二人からインスパイヤされたJazzメンとしての気骨と熱い魂でのアプローチと解釈で展開された演奏であるが故の賜だと思うのだ。
ディレクター石塚氏、田村翼、シンプキンス、ガント、4者の見事なコラボレーションの結果が全ての演奏に伺える本作品は、バップ・ピアニストとしての翼さんの真髄を得るには最適なアルバムかも知れない。


















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