さて収録曲に移りましょう。
一曲目は“Why don't you do right” 古くはペギー・リー、新し目ではナタリー・コールが唄ってますね。津村さんのノスタルジックさを感じるコード弾きに田村さんの小洒落たピアノが入り、久万さんの唄の歌詞にあるようにダメ亭主を諭すような女房の感じの中にも女としてのチャーミングさ醸し出している唄い方が可愛く素敵です。
二曲目は“I love you, Porgy” ガーシュイン兄弟作の名曲ですね。ヴォーカル曲として数多くの名唱がありますが、久万さん、しっとりと聴かせてくれます。
三曲目“Willow weep for me” これまた名曲ですね。切なさを凄く感じてしまいます。
四曲目は“I was doing all right” ガーシュイン兄弟作。エラとかカーメン・マクレイをはじめ数多くの名唱がありますね。インストものではオスカー・ピータソン、あとデクスター・ゴードンも演っていたかな。久万さんと田村さんの雰囲気が何となくエラとピーターソンを感じさせてくれます。
五曲目“Superstar” リタ・クーリッジのためにレオン・ラッセルが書いた曲ですが、唄としてはカーペンターズのカバー曲としてのほうが有名かな。女の切なさといじらしさが心に染み込むように伝わってくる久万さんの唄はすごく素敵です。
六曲目は“Gee baby ain't I good to you” これも数多くの名唱があるブルースですね。久万さんの唄もそうですが、田村さんのピアノといい津村さんのギターといい、バーボンでもかっくらっいたくほどに切なくなります。
七曲目は“You've changed” 古くはビリー・ホリデー、新し目ではジョニ・ミッチェルが唄ってますね。しっとりとしたバラッド曲に仕上がっています。
八曲目は“Moon over Bourbon Street” なんとスティングの曲です。久万さんのブルース感覚がすごく堪らないな。フィーチャーされた津村さんのギター、硬調だけどやけに心に響くんですよね。ひょっとしたらボク、このアルバムの中で一番好きになるかも知れない。
九曲目“Gloomy Sunday” この曲を題材にした映画「暗い日曜日」がありますが、フランスのダミアの唄で有名になったのかな。無伴奏で入る久万さんの唄がこの曲の重たいストーリーをひしひしと感じさせてくれます。
10曲目は“Bye bye blackbird” 本アルバムのタイトル曲ですね。アルバム中唯一のファストテンポ。冒頭からの田村さんの低音弦を叩くようなタッチ音のピアノにゾクゾクさせられます。田村さんのゴリゴリ感のピアノと津村さんの切れのいいギター音に乗っかるようなパンチの効いた久万さんの唄。アルバム中で一番、タイマン的な三位一体感を強く感じる聴き応えのある曲です。
11曲目は“If you go away” エンディング曲としては最高だけども・・・こんなにも切なく唄われてしまったら、ボク・・・「もうどこにも行かないから」としか言えないよな。泣きたくなるじゃないか・・・久万さん・・・大の男の心を擽るなんて・・・。
最後にこのアルバム、久万さんの唄といい、田村さんのピアノ、津村さんのギターといい、すごく生々しいというのかな、まるで狭いライブハウスで久万さんの吐息さえ聴こえるような最前列にいる錯覚に陥ってしまいます。ボクは聴きながら昨年11月の奄美ライブツアーの三日三晩の久万さんの唄う表情、そして田村さん津村さんの演奏がリアルに浮んでいました。
前作“Sleepy Blue”で喉の渇きを感じるように久万さんの唄を「もっと聴きたい!」と感じたファンの皆さんは絶対に買うべきです!買って聴けば聴くほどに、さらに「もっと聴きたい!」となるでしょう。そして現在の国内Jazzヴォーカル界には希有なほどに唄の心をこんなにまでストレートで豊な表現力を持つ歌い手が居るのか?ということにきっと気付くことでしょう。





















気に入って聴いていただけたようで安心しました。