さて、ボチボチとトラックレヴューといきますか。
一曲目“Au Privave”はC・パーカーのブルースですね。オープニングナンバーに相応しいミディアム・アップテンポのスインギーな曲だな。いきなり翼さんのピアノと池田さんのベースのユニゾンから始まるテーマにゾクゾクとさせられます。テーマのあと翼さんのダイナミックな中低音部からのメロディラインから、ベース&ドラムのリズム陣のストップ・タイムを織り交ぜながら次第に煌きのピアノがコロコロとスインギーに昇っていく演奏は、すごく気持ちがいいんだな。
二曲目“You Goto to My Head”はスタンダード。何とピアノソロです。今となって考えてみれば、発売されている翼さんの全作品中でピアノソロの演奏は7作目のピアノソロアルバム“LOVE BALLDS”(1993)以外では、この“You Goto to My Head”のみですね。ライブ等では当然あったのでしょうがね。翼さんならではの美しいタッチのバラッドソングです。
三曲目“For Carl” ルロイ・ヴィネガー(b)が20代で亡くなったカール・パーキンス(p)へ奉げた曲で、ここでの翼さんは哀愁を漂せた美しい3拍子のメロディを聴かせてくれます。この曲では池田さんのベースソロもフィーチャーされていますが、これまたすごく太いけど丸みのある哀愁を帯びたベース音でのメロが素晴らしいですね。岡山さんのブラシングも控え目ながらもキレがあり素晴らしいです。
四曲目“In the First Flight” 翼さんのオリジナル曲。アルバムデヴューという意味合いもあるのでしょうか。小粋なファンキーぽっさとリラックス感のあるブルース・フィーリングがバップ・ピアニストとしてのセンスの良さを醸し出していますでしょうか。
五曲目“Whisper Not” もう言わずもがなでしょうが、ハードバッパー ベニー・ゴルソン(ts)作の名曲ですね。ボクたち日本人にとってもすごく馴染みのある曲ですね。翼さんの小洒落た歌心のあるピアノが素敵です。ここでも池田さんのベースが光っています。それにしても翼さんのピアノのキレのよさはこうしたゆったり感のある曲でもピシっと出てきて痺れます。
六曲目“Softly as in a Morning Sunrise” 多くのJazzメンに愛されている名曲中の名曲だな。翼さんのピアノと池田さんのベースのデュオ演奏です。ブルース感といいスイング感といい、翼さんがハード・バッパーなのを十二分に感じさせてくれます。池田さんのベースも熱がこもっていて凄いです。ベースを弾きながら唄うような唸り声が聴こえますね。
七曲目“Ballad for Hamp” 翼さんのオリジナルでアルバムのタイトル曲。翼さんが敬愛するハンプトン・ホーズに奉げたバラッド曲です。センチメンタルな翼さんのピアノに続いて、池田さんのアルコが荘厳さと更なる哀愁感を漂わせながらもボッサのリズムに入っていく。まるで涙を噛み締めて努めて明るく振舞おうとするが、心は去った人への悲哀さに満ち溢れている・・・そんな感じがするリリカルな美しいバラッドですね。



















オイラは息子と二人で池田(芳夫)先生に習っています。オイラはウッドベース、息子はピアノですが特別に頼んでアンサンブルを習っています。最近の息子との話題は「俺たちの体にジャズはあるか?」がテーマになります(笑)。
ホント翼さんもそうだったと思うのですが、池田先生は全身ジャズなんですよ〜。何やってもジャズなんです。鍵盤のコード1個弾いただけでジャズなんです。それがカッコイイ。
その秘密が知りたいと強く思うのですが、息子は「何かが根本的に違う」と毎回落ち込んで、ついにバド・パウエルまで先祖帰りしてしまいました(笑)。
「BALLAD FOR HAMP」聴いています。