アート・ペッパーのブート盤

二曲目“恋とは何でしょう”、フォスターのバスタムの音に押し出されるように、ペッパーは出だしから少しハイテンション。まぁ時にはこんな恋の語り口もあってはいいんではないかいと聴き入る。かつての小洒落たセンスの片鱗なんて微塵もないほどに段々と激しい語り口になってくる。ところがだ、相方のレヴィエフ、いつもの様子と少し異なる語り口のペッパーに、返す言葉を探しあぐねるかのようなポロリポロリン、横からペッパーの睨む視線(ボクの憶測)を感じ取ったレヴィエフはこれじゃいかんと必死こいて鍵盤を叩きつけるも、時はすでに遅し、ムラツにもフォスターもレヴィエフの最初のポロリンが響いており、今一乗り切れないモード。ペッパー、仕方なく先に走ろうとするも・・・得意の閃きのめくるめくフレーズも出て来ず、ぐちゃぐちゃになってしまい、エンディングはお疲れさんモードでしまりのない終わり。

三曲目“グッド・バイ”、二曲目とは打って変わって瞑想の後の静けさのごとく、優しさとに満ちた音色とともにペッパーが持ちえている本来のリリシズム感で迫ってくるバラッドだ。う~ん、いいね~。と思っていた矢先、ペッパーに不穏な雰囲気が・・・ああー、レヴィエフ君、いかんよ!優しいようで突き放すようなそのソロは!ペッパーを余計に落ち込ませるって!ホラホラホ~ラ、ペッパーに後期に頻繁に顔を出すあのスイッチが入ってしまったじゃないか!最後は「さよならは絶対にイヤイヤッ!」とばかりに大泣き喚きのフレーズ。レヴィエフ君、何年、相方を務めているんだ!ペッパーがぐしゃぐしゃになる前に本音で納得させなくちゃ。 だからペッパーは君に愛想を尽かし、心から安堵感ある演奏ができたケイブルスを真の相方にしちゃったんだよね(これもボクの憶測ネ;v)

四曲目“メイク・ア・リスト”、おっ、ムラツのファンクなベースに乗っかりいい出だし。続くレヴィエフも結構なファンキーサウンド。次第にアップテンポでフォスターがレヴィエフを煽り始めるも、レヴィエフ、追いついているようで追いつけてない感じ。丁々発止と鍵盤を叩いた後に何故だか突然の静けさ・・・何でや! ペッパー吹き始めるも中ダル~な感じが続く。勢いつかせようともがき始めるも、閃きフレーズも出ずにとうとうフリーキーサウンド。しかしそれでカバーすればするほどにファンクの味わいはすっ飛んでいくばかり。終いにはファンクの怖さとも言うべきか終わりを見出すためのエンドレスモードに陥って、何とか終わらせる始末。ファンクは侮れないのだ!

五曲目は後期ペッパーの十八番の“レッド・カー”、いつものスタイルのロック・ビート。ペッパーは変わらないのだが、レヴィエフのでしゃばり過ぎがすごく気になる。それに引き換えフォスターやムラツはボスのペッパーのお株を決して取ってはいないし、サポータとしてはいい味を出しているだけにまとまり感では惜しい曲になってしまっている。

あーー、何だか、久しぶりに疲れちゃったよ! だよな。全曲レヴューしたんだから(++!)
昨晩の予告ではメチャ最高にいいアルバムと書いた割には、ここまでを読み返してみると、ボクにしてはすんごい辛口評価になっちゃってるな。f(--;
まっ、これもペッパー愛する故かな。このアルバム、総合的に考えるば一期一会的セッションライブの善し悪しの両極端が出てしまっていますが、81年の半ば以降のペッパーの作品群を語るには棄て切れない価値あるアルバムかな?と思いますね。しかし、多分にライブのその場に居合わせていたのならばきっと興奮していたと思うな。それがライブの醍醐味かな:E

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— posted by ティダ at 10:41 pm   commentComment [3]      

この記事に対するコメント・トラックバック [3件]

Up1. mick — 2008/09/18@23:20:35

私、アル・フォスター大好きです。まさかこんなアルバムがあるとは!
アルとムラーツのコンビは最高ですよね。私が2人のコンビで最初に聞いたのは
ウラジミール・シャフラノフのホワイト・ナイツでした。アルのシンバル、最高です。ぜひ、このアルバムも聴きたいものです。ティダさん、これからも名盤、紹介してください。

2. mick — 2008/09/18@23:27:38

実は、アル・フォスターとムラーツのコンビ大好きなんです。ペッパーとこのコンビのアルバムがあろうとは意外でした。初めて聴いたのは、ホワイト・ナイツ
ウラジミール・シャフラノフのアルバムでした。アルのシンバル、最高です。
ティダさん、名盤、もっと紹介して下さい。

Owner Comment ティダ Website  2008/09/19@20:11:15

mickさん、いつもご来訪ありがとうございます。
名盤ですか・・・、ボクの場合、自身の尺度で決め付けてしまうことが
侭ありますので、よく言われる名盤といえるものとは異なる場合が
ありますねf(--;
まぁ、簡単に言えばただのへそ曲がりかも知れません:P

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