田村 翼 --Memories of SUMMERTIME--

'77年のデビューアルバム“バラード・フォー・ハンプ(TRIO PA-9756)”以来、'78年には“ジャズ・プレステッジ(TRIO PAP-9156)”、'79年には“ユー・アンド・ミー(TRIO PAP-9206)”と1年に1枚というぐあいに決してその作品数は多くはなかったが、'80年に入ってからも地方ツアーでの素晴らしい演奏でマニアを唸らせていた噂を聴くにつけ、すごく楽しみにしていた。

西日本ライブツアーの折り返し地として徳之島でのライブ。
ピアノの翼さん始めベースの大場景弘、ドラムスのマイク・レズニコフも長旅で疲れもピークであったろうにも関わらず、約70名ほどの観客の前ではそんなことは微塵のかけらも見せないほどの白熱した演奏を繰り広げた。
どちらかというと大人し目でシャイな島の観客も1曲目の演奏でこそ感情表現は薄かったのだが演奏が進むに連れ、トリオが繰り広げる演奏を眼前にそれぞれの感情が爆発し、途中休憩後の二部の演奏では興奮の坩堝と化したのだった。
観客のノリ・・・これはホールのステージ上での演奏が行われるコンサート形式でと眼前で演奏が肌身で感じ聴ける小さなライブ会場では自ずと変わる。
小さなライブ会場ではプレイヤーと観客が一心同体となりやすい。Jazz特有のスイングとビートでグングンとプレイヤーも観客も上り詰めていく。これこそJazz演奏の醍醐味だ。
終演近くになると名残惜しさの余りに狂乱する者、涙ぐむ者・・・。
あの夜の熱く燃えた会場の雰囲気が今でも目に浮かぶ。

一部、二部合わせて2時間以上のライブ。レコード会社が商品化するレコードやCDならば、収録された演奏からセレクトして1枚のアルバムに仕立てるであろうが、僕にはそれができない。何れの演奏も素晴らし過ぎるので漏れさせるには余りにも惜しいのだ。
簡易録音だけに音のバランスや楽器音のバランス、バスドラムの音など拾ってなくて微かに聴こえるのみだ。
でも、そんなオーディオ的な事は差っ引いても、白熱した素晴らしい演奏と会場の雰囲気がリアルにそしてダイレクトに心に響いてくると思う。
27年の時を隔てた今でもその演奏には、少しも古臭さを感じさせないし、それどころか、田村翼さんが故人となって13年(*2)にもなるということを知らなければ、今でもどこかのステージで演奏をし続けているのではないかと錯覚するほどに色褪せていないのだ。
同じライブ録音でも前出“スゥイート奄美”は録音も前提としたライブであったが、わずか3日前のこの徳之島でのライブの本アルバムでは、徳之島に来るまでの西日本ツアーでも繰り広げられてきたであろう普段着の田村翼のライけるのではないかと僕は思っている。
今や伝説のバップピアニストとなった田村翼の噂のライブ演奏の一端を表している本作品、じっくり味わっていただきたい。

2004.7.16(*3) 崎本 純一

(CD2枚に相当する録音でしたが録音状態・収録時間等制作の都合上CD1枚に編集させていただきましたことをご了承ください)

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(*1) YJFC →(誤植)(正)TJFC
(*2) 13年 →(原稿ミス)(正)12年(ボクの勘違いです)
(*3) 2004.7.16 →(誤植)(正)2007.4.16

演奏曲のレヴュー記事は今晩予定しています。

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— posted by ティダ at 09:52 am       

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